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ようこそ、福島医大泌尿器科へ

教授からのごあいさつ

教授からのごあいさつ福島県立医科大学泌尿器科学講座
教 授  小島祥敬

福島県立医科大学泌尿器科学講座の小島祥敬(こじまよしゆき)です。
ようこそ、当講座ホームページにおこしいただきありがとうございます。

福島県は、2011年3月11日に未曾有の震災および不幸な原発事故にみまわれました。まずはじめに、東日本大震災により被災された方々並びに関係者の皆様に、心からお見舞い申し上げます。

さて、本ホームページをご覧いただいている皆様に、講座を代表してご挨拶を申し上げるとともに、私の抱負を述べさせていただいたいと思います。

大学病院に求められているのは、診療、教育、研究の3つです。診療、教育、研究を行う上で、私が最も大切にしているものは“和”です。各診療科・講座、コメディカル、関連病院、医局員などまわりの方々との和が相乗効果をもたらし、組織の創造的発展を促し、未来を切り拓くと確信しています。
福島県立医科大学ビジョン2008 (http://www.fmu.ac.jp/univ/daigaku/vision2008.html) にうたわれる将来像を実践し、未来への希望を共有したいと考えています。そして、震災からの大復興に、骨を粉にして身を砕き、新しい県民医療を実現させるために医療面からも貢献したいと考えております。

 

1. 診療

地域の知的・文化的拠点として、地域における社会貢献とともに、世界に発信できる先進的な医療に取り組みます。

地域社会と密着した医療システムの再構築

私は学生・研修医時代を含め20年間近く公立大学に従事しました。そこで感じたことは、国立や私立大学とは異なり、公立大学にとって“地域”は特別な意味を持ち、地域に根づく医療を行うことが大切だということです。
特に、福島県においては、未曾有の大震災による医療サービスの低下、医師不足と偏在など、医療を取り巻く環境は厳しいのが現状です。県民の皆様が、住み慣れた地域で生涯安心して暮らせる、心の通う医療の実現と、大学病院を中心とした医療連携体制を再構築することに、微力ながら全力をあげて取り組みたいと思います。

 

質の高い先進的で独創的な医療の実現

教授からのごあいさつ 高度で先進的な医療を行うことは大学病院の責務です。質の高い先進的・独創的で安全・安心な医療を実践し、世界をリードする泌尿器科学講座を作りたいと考えています。

私はこれまで、患者さんに優しい手術の開発に取り組んできました。特に、腹腔鏡手術を尿路生殖器がんや先天性尿路生殖器疾患などに対し段階的に導入し、厚生労働省への先進医療の申請に向けて、新規腹腔鏡下手術の開発に関わってきました。

また、難易度の高い尿路再建術やロボット支援下手術の必要性を感じ、海外留学し、現在もペンシルバニア大学との手術開発の共同研究を行っています。こうした先進的医療を、福島県立医科大学において患者さんにご提供できる環境整備を、順次進めてまいりたいと考えています。

 

2.教育

次世代を担う学生や研修医と真摯に直接向き合い、研修後も福島県で医療を行うことを望む、魅力的な医学教育を提供します。

医学生教育

教育において私たち教員に求められることは、医学生が生涯にわたって自ら学び能力を高めようとする修学意欲を養い育てることであると考えます。教養・技能だけではなく、自己実現を目指そうとする自発的精神の育成を目標としています。また礼節を尊び、医師としての道徳的・人格的価値を身につけさせるべく、心の醸成に努めたいと思います。

 

卒後教育

教授からのごあいさつ基礎研究を積極的に推奨し、課題を解決する論理的な思考力と実践的な判断力を身につけることにより、バランス感覚の優れた泌尿器科医を育成したいと思います。自由な発想のもとでより良質な研究や診療ができる環境の整備に努め、人材の確保・育成に尽力し、優秀な泌尿器科医を社会に輩出したいと考えています。

 

女性泌尿器科医の育成

今日の泌尿器科診療において女性医師は欠かせぬ存在です。特に尿の悩みを抱える女性の患者さんは多く、女性ならではの視点で泌尿器科診療を行うことは、講座にとって、福島県民にとって大きな財産になると信じて止みません。多くの女性泌尿器科医を育成することを目標とします。

 

3.研究

福島県から優れた研究を世界に発信し、広く人類社会全体の繁栄に寄与します。

大学研究機関は、革新的発想と最先端技術を発揮できる恵まれた環境下におかれています。殊に医学研究の意義は、長期的な展望のもとに、将来の医学・医療の進歩発展と技術革新をもたらすための基盤を作り、広く人類社会全体の繁栄に寄与することと考えます。従って、基礎研究は、臨床講座においても中核をなすべきと考え、積極的に推進奨励に努めたいと思います。

 

下部尿路機能障害研究:中高齢者のQOL向上にむけた病態解明と新しい治療法の開発

教授からのごあいさつ前立腺肥大症や過活動膀胱などの下部尿路機能障害は、中高齢者に多く発症する疾患です。生活の質(QOL)を著しく損なうため、超高齢社会の到来とともに重要な疾患として位置づけられています。当講座の伝統的研究テーマである下部尿路機能障害の病態解明とともに、新しい治療法の開発に取り組み、QOLの伴う長寿社会を実現したいと考えています。

特に私の目標は、これまで行ってきた前立腺肥大症や過活動膀胱に対するゲノム薬理学を基盤とした、国際的なゲノム統合解析プロジェクトを実現することです。産学共同・連携により、尿路生殖器疾患のゲノム解析による創薬開発のための国際ネットワークの基点施設としたいと思います。

 

がん研究:尿路生殖器がんの病態の分子生物学的解明と新しい創薬研究

尿路生殖器がんは、副腎がん、腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がんと多岐にわたります。尿路生殖器がんの研究は、泌尿器科医にとって大きな研究テーマです。これらの病態解明を分子生物学的に解明するとともに、新しい創薬研究と革命的治療法の開発にむけた基礎的研究に邁進していきたいと思います。

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