ようこそ、福島医大泌尿器科へ
随想録
臨床泌尿器科編集後記 vol.77. No 10 ,2023
新型コロナウイルス第9波に突入したようです。それを横目に世の中はコロナ前の日常に戻っています。私自身、学生や初期研修医との交流も復活しつつあります。先日日本アンドロロジー学会第42回学術大会(梅本幸裕会長)が名古屋で開催されましたが、泌尿器科実習を選択してくれた医学部の女子学生2人を、実習の一環として学会に連れて行きました。学会が週末に重なっていたこともあり、空いた時間を利用して、医局員と学生を連れて名古屋観光に繰り出すことにしました。行きたい場所を尋ねたところ、まさかの「名古屋港水族館」との回答でした。イルカやシャチのショーを見て、3時間どっぷり水族館に浸かり、帰りは名古屋の繁華街の栄に寄り、サーティーワンでアイスクリームを食べ、ポストコロナの非日常を満喫してきました。
クラブ活動も解禁されました。私は剣道部の顧問をしているのですが、コロナ禍では、顧問らしいことは何一つしてあげることができませんでした。先月新入生歓迎コンパが3年ぶりに開催され、剣道部員と久しぶりに顔を合わせることができました。お酒の勢いもあり、剣道部員に乞われ稽古の見学と焼肉パーティーを約束してしまいました。翌週稽古を見学しましたが、その迫力に圧倒され、すがすがしい気持ちになりました。そのまま勢い余って、東日本医科学生総合体育大会(東医体)の応援に行くことも約束してしまいました。
コロナ禍では、学会のオンライン化やWEB会議が広まり、便利な世の中になりました。しかし効率性を重視するあまり、必ずしもその中身が充実しているとは思えません。十分な議論や意見がないまま進行することが少なくないような気がします。一時話題になったWEB飲み会なるものも、それほど流行らなかったように思います。最近学会や研究会に現地参加することが多いのですが、長い間コロナ禍の抑圧された生活を強いられていたせいか、皆さん人肌に飢えていたように感じるのは私だけでしょうか?
人工知能の開発が進み、ChatGPTなるものが世の中を席捲しているようです。まさに世の中の超デジタル化の波は私達の予想をはるかに超えて押し寄せてきています。しかし超デジタル化の渦の中、私が感じるこういったアナログ的感覚が、この先数十年後に生き残るのか、それとも消滅するのか、時代遅れと言われつつある「飲みニケーション」を人工知能は完全に凌駕するのか、その行く末を少し楽しみに思う今日この頃です。