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初期研修医の皆さまへ

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後期研修(専門医養成コース)プログラム

今、泌尿器科は国内・国外を問わず大変注目される時代になりました。その背景として、今世紀に入って泌尿器科疾患が急増していることを挙げることができます。例えば、欧米男性に多い前立腺がんは、我が国でも食生活の欧米化に伴い急速に増加し、今後、日本において癌死をもたらす悪性腫瘍の中でその増加率が第一位になることが予測されています。また、頻尿や尿失禁のようにQOLを損なう疾患も実に多くなり、高齢化社会では深刻な問題になってきました。これからは、前立腺肥大症、過活動膀胱、腹圧性尿失禁と呼ばれる疾患ですが、特に過活動膀胱については、おおよそ810万人もの患者さんのいることが最近の疫学調査から明らかにされています。このように患者数の多さを例にしても、どこの病院でも泌尿器科医が求められるようになり、泌尿器科専門医こそ21世紀で最も期待される専門医であると言えます。

そこで、研修医の諸君には、新しい時代を担う泌尿器科について是非考えていただき、泌尿器科専門医への道を選択なさるように自信をもってお奨めします。福島県立医科大学泌尿器科の後期研修(専門医研修)の特徴は、様々な泌尿器疾患の個性を尊重した指導を行なっている点にあります。診療の現場では指導医と研修医は納得がいくまで良く話し合い、治療方針の決定や手術手技の指導がなごやかで自由な雰囲気のもとで行なわれております。また、当科の専門医研修は大学附属病院と関連病院の両方で研修するシステムになっており、通常、大学2年間、症例が多く選別された教育指定病院2年間、全体で4年間の研修をすることになります。勿論、後期研修医としての給与は保障されます。

修得すべき手技や手術経験目標数など
1 年次(卒後3年)
及び2 年次

2年目までに習得すべき検査
○静脈性腎盂造影(DIP)
○尿道膀胱造影
○排尿時膀胱尿道造影
○逆行性腎盂造影
○順行性腎盂造影
○腎骨盤部血管造影、副腎静脈サンプリング
○泌尿器科超音波検査
 ・経腹的:腎、膀胱、前立腺
 ・直腸的:前立腺、精嚢、精巣、精巣上体
○泌尿器科内視鏡検査
 ・膀胱鏡検査
 ・尿管カテーテル法
○泌尿器科生検
 ・経尿道的膀胱生検
 ・前立腺生検
 ・精巣生検
 ・腎生検

2年目までに習得すべき処置および手技
○尿道ブジー
○スタイレットを用いた尿道カテーテル留置
○膀胱タンポナーデに対する膀胱洗浄
○Dubleカテーテル留置

2年目までに経験すべき手術
○腎臓の手術
 ・経皮的腎瘻造設術:3例
 ・単純腎摘除術(腹腔鏡を含む):10例
○膀胱の手術
 ・膀胱瘻造設術
 ・膀胱砕石術(経腹的・経尿道的)
 ・経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT):25例
○前立腺の手術
 ・経尿道的前立腺切除術(TUP-P):25例
 ・前立腺皮膜下摘除術:5例
○精巣・陰嚢および陰茎の手術:10例
 ・包茎手術
 ・除精術
 ・精巣水瘤根治術
 ・根治的精巣摘除術
 ・腹腔鏡下精策静脈瘤根治術
○ESWL(体外衝撃波結石破砕術)
○小児泌尿器科手術
 ・精巣固定術:5例
○その他
 ・ブラッドアクセス造設術:10例
 ・CAPD用チューブ設置術:10例

2年目までに術者または第一助手として経験すべき全症例数:110例

3 年次及び4 年次

研修4年目までに経験すべき手術
○副腎の手術
 ・副腎摘除術(腹腔鏡含む):10例
○腎臓の手術
 ・根治的腎摘除術(腹腔鏡を含む):10例
 ・腎盂形成術:3例
 ・腎移植術:2例
○尿管の手術
 ・腎尿管全摘除術(腹腔鏡を含む):10例
 ・経尿道的尿管砕石術:5例
○膀胱の手術
 ・根治的膀胱摘除術:10例
○前立腺の手術
 ・前立腺全摘除術:10例
○小児泌尿器科手術
 ・膀胱尿管逆流防止術:3例
○尿路変更術
 ・尿管皮膚瘻造設術:3例
 ・回腸導管造設術:10例
○女性泌尿器科手術
 ・尿失禁手術:5例
 ・脱修復術:5例

4年目までに術者または第一助手として経験すべき全症例数:215例

 

大学院・留学について

臨床系大学院進学を希望する方には、後期研修医として給料をもらいながら4年間で学位(博士号)と泌尿器科専門医を一緒に取得できる本学独自のコースが用意されています。また、当科には国際的に高い評価を受けている研究が多いので、専門医になった後でも容易に学位を取得することができます。現在までに、研究を終えた医局員は全員が学位を取得しております。さらに、国際学会での発表の機会も多く、将来は当科と連携しているアメリカやヨーロッパの大学へ留学することも可能です。

 

専門医受験資格のために必要とされる技能・手技目標

  1. 泌尿器科専門医の取得に必要な研修期間は、卒後臨床研修2年に泌尿器科専門医研修4年間を加えた計6年間です。
  2. 2年間の卒後臨床研修修了後の4月から6月の間に、研修施設と日本泌尿器科学会専門医制度審議会に「研修開始宣言」を行い、専門研修を開始します。
  3. 専門研修3年間を修了すると泌尿器科専門医の受験資格が得られます。したがって、専門医研修4年目の8月に実施される資格試験に合格し、翌年3月31日まで研修を修了すると泌尿器科専門医を取得できます。
  4. 経験した症例及び手術件数をまとめた診療実績記録を提出する必要があります。
  5. 卒後・生涯教育プログラム、学会発表、学会参加により教育研修単位を100単位以上取得しなければなりません。
  6. 泌尿器科専門医を取得することにより、「泌尿器腹腔鏡技術認定医」の受験資格を得ることができます。

 

後期研修協力病院

関連病院名 所在地 指導医名 職名
1 公立藤田総合病院 国見町 村木 修 科長
2 総合南東北病院 郡山市 橋本 樹 科長
3 星総合病院 郡山市 亀岡 浩 部長
4 太田西ノ内病院 郡山市 蜩c 知彦 部長
5 公立相馬総合病院 相馬市 馬目 雅彦 診療部長
6 大原綜合病院 福島市 吉田 純也 部長
7 済生会福島病院 福島市 鈴木 孝行 部長
8 寿泉堂綜合病院 郡山市 千葉 茂寿 部長
9 竹田綜合病院 会津若松市 細井 隆之 科長
10 塙厚生病院 塙町 中野 路子 部長
11 枡記念病院 二本松市 松岡 久光 部長
12 太田熱海病院 郡山市 伊東 賢二 部長
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