HOME > 留学先からの便り

初期研修医の皆さまへ

留学先からの便り

目黒 了
Memorial Sloan Kettering Cancer Centerより

写真
私の職場であるMSKCCのMortimer B.
Zuckerman Research Center
こんにちは。2024年6月からアメリカニューヨーク州のMemorial Sloan Kettering Cancer Center(通称MSKCC)に留学をしております、目黒です。卒後9年目、博士号と専門医を取得したタイミングで海外留学の機会を頂き、計2年間MSKCCで基礎研究を行う予定です。
MSKCCは世界でも有数ながん研究施設の一つであり、世界中から研究者が集まっています。泌尿器科分野ですと、腎癌のリスク分類に使用されるMSKCC分類が有名ですね。隣の共同研究のラボにはアメリカからはもちろん、中国、ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、メキシコなど様々な国から研究者が来ています。自分のラボは合計5人と比較的少人数であり、全員がアメリカ出身であるため英語が早いですが、ゆっくり話してもらったり、文字に起こしてくれたりとメンバーの優しさに助けられ、一緒に研究を進めています。

渡米後はまず初めに、異国の地での生活に慣れることに苦労しました。事前に現地の日本人の先生に相談に乗ってもらっており、準備と覚悟はしていたつもりでしたが、それでも実際に住んでみると多くのカルチャーショックがありました。例えば、病院に行くときは自分の健康保険(アメリカでは国民皆保険ではなく、民間会社の保険に入ります)がカバーされている病院を重症度別に探さなければ行けません。日本に住んでいた時には気づくことができませんでしたが、食や製品のクオリティの高さ、手軽に病院に行けること、衛生面、安全面はやはり日本の素晴らしい点だと気づくことができました。またニューヨークは移民が多く、自分の住んでいる地域にも白人、黒人、アジア人、ヒスパニックなど多くの人種がいます。街を散歩したり地下鉄を使用すると様々な人種の市民に会うことは、日本では体験することができなかった新鮮な体験です。

研究の内容としましては、もともと渡米の前から日本で取り組んでいた研究内容と同様、細胞老化とがんの関連の研究に取り組んでいます。最初は必要な試薬の発音を一つ一つ調べて場所をメンバーに教えてもらうことから始まりましたが、これまた皆の優しさに助けられつつ、少しずつですが仕事を覚えています。ラボメンバーから飲み会に誘ってもらったり、MSKCCの日本人会のBBQに参加したりとプライベートも充実しつつあります。2年間で論文という一つの結果を残すことを目標に、研究に打ち込む日々です。

写真 写真
共同ラボメンバーとの飲み会 MSKCC日本人会のBBQ
ページの先頭へ